J-Winは、ダイバーシティ・マネジメントを支援します。
メンバー活動
2017年度
2017年6月9日〜10日に「J-Win第7期女性メンバー つくば合宿」が行われました。
2017/08/09
2017年6月9日(金)〜10日(土)に、つくば国際会議場およびオークラフロンティアホテルつくばにて、J-Win第7期女性メンバー275名が参加して1泊2日の研修合宿が行われました。4月よりスタートした1年間のJ-Win活動のなかで、前半の大きな山となるこの合宿の目的は「キャリアアップの価値を理解しWomen to the TOP !へ一歩踏み出す」です。冒頭、J-Win事務局長から「みなさんはそれぞれの会社から選ばれてJ-Winに派遣されている、会社に貢献するための活動であるという意識をしっかり持って取り組んでほしい」とのメッセージがあり、メンバーは目的意識を新たにし、合宿実行委員による運営のもと様々なプログラムに真剣に取り組む、充実した2日間となりました。
【プログラム】
| ６月９日(金) | ６月10日(土) |
| 10:30− オープニング／事務局長挨拶 | 8:30− 分科会活動キックオフ |
| 10:35− 実行委員長挨拶／オリエンテーション | 11:00− J-Win Executiveネットワーク分科会支援体制紹介 |
| 10:40− 関西支部活動紹介 | |
| 10:50− J-Win卒業生スピーチとQ&A | 11:10− 10分科会よりテーマと方向性の発表 |
| 11:30− 昼食・写真撮影 | 12:05− 講評(Executive ﾒﾝﾊﾞｰより) |
| 12:30− キャリアアップにSwitch-On！セミナー | 12:20− クロージング |
| 17:00− 「Women to the TOP！」について考える | 午後 分科会活動（任意） |
| 17:55− 1日目クロージング | |
| 18:45− 夕食懇親会 |
以下、プログラム実施順に一部内容をご紹介します。
■J-Win卒業生スピーチ
J-Win第2期卒業生の小菅氏より、J-Winでの経験を通して得たものや、第７期生へのメッセージなどについてお話しいただきました。あわせてQ&Aでも明快な回答やメッセージを発信いただき、J-Win活動の価値について理解を深めることのできる機会となりました。以下にスピーチをダイジェストでご紹介します。
(*社名・肩書は発表当時のものです）
●J-Winでの学びを生かして女性技術者の育成を目指す
東京電力パワーグリッド株式会社 信濃川電力所 所長 小菅 美佳氏
私は1988年に、初の技術系女性社員として東京電力に入社しました。さまざまな仕事の悩みを乗り越えながら管理職になり達成感を感じていた頃、「これからは後輩を育てないと」と、J-Winで活動していた先輩に言われたことで、パイオニアとしての役割に気付きJ-Winに参加することを決めました。J-Win第2期生としての活動では、「Women to the TOP！」という目標のもと、「管理職はゴールではない」ことを学びました。また、多様なバッググラウンドを持った人が集まる場で分科会のリーダーを経験したことが、真のリーダーとは何かを深く考えるきっかけにもなり、現在の仕事にも生かされています。第2期卒業後はNext Stageネットワークへ参加し、さらに自己研鑽をつみ、ネットワーキングをひろげています。会社では、女性技術者のネットワークを設立し、後輩を育成するという、掲げていた目標に向けてスタートしました。その活動の中でも、J-Win活動で学んだリーダーシップ、キャリアアップの考え方、ネットワーキング作りなどが生きています。分科会などでの真剣な活動を通して構築した信頼関係は、一生の財産になります。7期のみなさんも、ぜひこれからの活動の中ですばらしいネットワークを築いていってください。■キャリアアップにSwitch-On！〜仕事からの贈り物〜 セミナー
キャリアアップ意識醸成のために4時間30分にわたり実施したこのセミナーは、「社外のロールモデルとの対話」「内永理事長の講演」「仲間とのディスカッション（ワーク）」を通し、「キャリアアップは人生における自己実現、楽しいことであると気づき、キャリアアップに対する不安や悩みを乗り越える糸口をつかむ」ことを目的としています。J-Winならではの内容として、現在Next Stage ネットワークで活動する6名のロールモデルに登壇いただき、「キャリアの軌跡と、節目節目に抱いていた不安や壁」「どのようなことをモチベーションに、不安や壁を乗り越えたか」「不安や壁を乗り越えてみたら、どのようなことが起きたか」「キャリアの壁を超えて初めて見えた景色、希望や夢」など、ご自身の実体験を率直にお話しいただきました。続くラウンドテーブルでは、7期生からの、リアルな質問や悩みが多く飛び出し、活発な対話が行われました。
その後の内永理事長の講演とQ&Aでは、ご自身の豊富な経験談や多くの実例をお話しいただき、「キャリアアップはエキサイティング」との力強いメッセージを贈っていただきました。
以下にロールモデルのスピーチと、内永理事長の講演、セミナークロージングメッセージをダイジェストでご紹介します。
(*社名・肩書は発表当時のものです）
●時には弱みも見せて部下と一緒に成長
株式会社内田洋行
業務統括部 特命課長 奥 さちこ氏
7期のみなさんの中には、すでに管理職の立場にある人も、これから昇進していく人もいると思います。私は課長になって10年になりますが、管理職としての大切なポイントはひとつ。ありのままを見せればよいということだと考えています。私も初めは「上に立つ自分が誰よりも仕事を理解していなくてはいけない」と気負っていましたが、弱みも出して部下に任せれば良い、自分は強みを補完して部下を守るのだと切り替えました。どう働くかということはどう生きるかということ。J-Win活動に参加する1年は、これまで、これからの自分を見つめる1年となります。みなさんと一緒に私も成長を続けたいと思っています。●失敗も経験のひとつとして自分のスキルに
株式会社NTTドコモ
サービスデザイン部 デザイン企画担当部長 田中 三喜子氏
管理職は、迅速に判断することが求められますが、時には間違った判断をしたり、プロジェクトが失敗して落ち込んだりしたこともあります。しかし、失敗も経験のひとつで、自分が成長していくためのもの。次は繰り返さないように反省して自分のスキルにためていくように前向きに考えるようにしてきました。異動や昇格なども、すべて必要な経験と前向きに解釈してチャレンジしてきました。チーム全体で進めていく仕事においては、自分が管理職として必要な役割を果たしつつ、共に助け合いながらチームで成し遂げることの喜びを実感しています。●目標を立ててやり抜くことが道を開く
東京電力パワーグリッド株式会社
信濃川電力所 所長 小菅 美佳氏
仕事をしていく上では、目標を立てるということがとても重要です。何年後にどんな職位で何をする、といった具体的な目標を掲げ、どうしたらそれを達成できるかを考えて努力を続けることで、道が開けてくると思います。様々な状況下で、時にはもがいても実力が発揮できない、と悩むこともあるかもしれません。しかし、振り返った時に「無駄だった」と思える経験は何ひとつないものです。ぜひ、自分の目標を持って、そこに向かってチャレンジしていってください。●J-Win活動から刺激を受けてキャリアアップへの意欲が向上
株式会社JALエンジニアリング
技術部 システム技術室 信頼性管理グループ グループ長 藤野 正美氏
入社からの数年は、一等航空整備士を目指し、整備の現場で高い志を持って仕事に取り組んでいました。その後、間接部門に異動となりましたが、いつかは管理職にと思いながら頑張っていました。いざ、管理職になったとたん、母・祖母の介護がしばらく続きました。周りのサポート、趣味、そして仕事があったから乗り切れたのだなと、今思います。その後も様々な経験を積むことができ、やりがいを持って仕事をしていましたが、正直、課長クラスよりも上を目指すことはあまり考えていませんでした。また、J-Winに参加した当初は、同じ職務が6年目になっていたこともあり、若干モチベーションが停滞していました。しかし、ロールモデルの方々や6期の仲間たちから多くの刺激を受けたことで、キャリアアップに対する自身の曖昧な気持ちが解消され、意欲も向上し、さらに上を目指す気持ちが生まれました。J-Win活動への参加が良いきっかけになったと思っています。●部下を持つことの不安をJ-Winで払拭
アフラック
人事部 人財開発課 中井 陽子氏
育休から復職した時、「子どもがいて残業はできないし、管理職なんてムリ･･･」とキャリア志向はまったくありませんでした。しかし、男性上司から「アフラックはいい会社だけど、子どものいる女性管理職が少ない。あなたは管理職になって、後輩たちのロールモデルになってほしい」とはっきり言われました。その言葉に背中を押され、どんな形でもまずは管理職になることに意味があると思い、昇格試験にチャレンジしようと決めました。部下を持つことに不安はありましたが、J-Winに参加し、見えない不安を自らつくりだしているということに気づきました。管理職になって3年、部下が育つ喜びや管理職としての仕事にやりがいを実感しているところです。
●管理職になることで組織の動きがわかり視座が変わる
大日本印刷株式会社
包装事業部 包装第１営業本部 第2部 管理職 営業部長 根本 和子氏
課長に昇進した時、最も違うと感じたことは、入ってくる情報の多さです。それまで聞いたことがなかった話が入ってくるようになると、会社全体の動きがわかるようになり、やっと一人前の社員になれたという気がしました。一方、女性初の管理職ということで、周りに相談できる人も少なく、部下への接し方などの悩みもありました。J-Winに参加したことで、さまざまなロールモデルとの出会いや、分科会の仲間との研鑽など、たくさんの学びがあり、キャリアアップに対するモチベーションがアップしました。その後、部長になり、業績確保に向けた戦略づくりとともに、後に続く女性管理職の育成などにも取り組んでいます。 |
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●講演「仕事からの贈り物」
J-Win理事長 内永 ゆか子
社会が急速に変化し、今までのビジネスモデルが変わろうとしています。過去にとらわれない、自由な発想で仕事を進めることが求められている今は、みなさんにとって良いタイミングです。ぜひチャンスを活かし、大きな仕事を成し遂げて達成感を味わってください。仕事を軸として、さらにキャリアアップすることで得られるすばらしさについて、私の経験から「仕事からの贈り物」というテーマでお話しします。上司は仕事を託せる人を常に探している
私は1971年に日本IBMにSEとして入社しました。定年退職時は取締役になっていましたが、若手時代は、女性活用にはまだまだ消極的な時代。不本意な異動や、女性の時間外労働を規制する労働基準法の壁、生意気盛りな自分への風当たりも強く、「やる気はあるのに自分の力を発揮できない」と悩んだこともありました。こうした中で学んだことが2つあります。ひとつは「どんな仕事であっても、目の前のことにしっかり取り組むこと」。もうひとつは「上司を大事にすること」です。当時、エンジニアとして入社した私には不本意だと感じていた広報やマーケティングの部署で、悩みながらも目の前のことに一生懸命取り組んだことで、そこからチャンスが広がりました。会社の上に立つ人は、仕事を託せる人を常に探していて、認めた人にはチャンスを与えてくれ、困った時にも助けてくれます。まずは目の前のことにしっかり取り組み、信頼を得ることが大切です。
キャリアアップは人生の自己実現
管理職になり、部下を持つようになると、自分一人ではできないような大きな仕事を成し遂げることができます。特に、今はWEBやインターネットを使ってグローバルに影響力を発揮できる時代です。企業や社会を変えるようなエキサイティングな仕事にぜひチャレンジしていただきたいと思います。上の職位になると、発言力が増し、見える景色も変わります。こうしたパワーを持つことで、自分のアイディアを実現するような、やりがいのある仕事にも挑戦する機会を得られるのです。
これからのキャリアアップを考える上で、みなさんにぜひ実行していただきたいことがあります。それは、いつまでにどうなりたいか、キャリアプランを描き、5年刻みにロードマップを作成することです。私もIBM時代に外国人の上司にアドバイスを受けて作成し、マインドが変わりました。トップを目指すという目標を具体的に描くことで、経営層はどう考えているのか、会社を高い視点から見ることができるようになります。
みなさんのなかには、キャリアアップすることにまだ自信が持てないという人もいるのではないでしょうか。でも、会社は良く見ていて、上に立つ能力があると思う人にしか声は掛けないものです。さまざまなチャンスがやって来たら、必ず受けてチャレンジしてください。最初は不安でも、周りがサポートしてくれ、次第にポジションが人を作ってくれます。全力で走るのが大変な時は、スピードをゆるめることがあってもいいのです。しかし、一度乗った馬には乗り続けることが大切で、下りてしまってはいけません。
キャリアアップは人生における自己実現です。みなさんは選ばれたメンバーなのですから、これからのキャリアをポジティブにとらえ、自分の人生をかけてチャンスをつかんで下さい。
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●セミナークロージングメッセージ
J-Win理事長 内永 ゆか子
自分の夢や願いというものは、できるだけ具体的に描き、実際に口に出すと、不思議と実現するものです。ぜひ夢を描くことを実行して、1年に一度で良いのでそれを見直すということを続けてください。みなさんは今、変化が激しい時代のなかでとても大事な役割を担っていますが、同時に素晴らしい可能性をもっているのです。せっかくの機会ですから、自分の好きなことができる、とポジティブに考えて頑張ってください。そして、そんな思いを共有できるここにいるたくさんの仲間を大切にし、5年、10年、20年と支え合いながら、ぜひ上をめざしていってください。
■分科会活動
合宿2日目は、朝8時30分より分科会活動を実施しました。2時間30分のセッションでは、分科会ごとに課題を洗い出してじっくり議論を尽くし、方向性を決定することを目的としました。その結果を、各分科会3分という限られた時間で簡潔に発表。年間を通して分科会活動を支援いただくJ-Win Executiveネットワークから、副幹事長のJTBトラベル＆ホテルカレッジ 理事 教務部長 坂本 友里氏、株式会社プリンスホテル 執行役員 経理部長 石田 尚子氏のお二人にお越しいただき、講評を受けました。「本当にやりたい課題は何か、そこにきちんと向かっているか、目的とゴールを徹底的に議論して全員がしっかり腹落ちすること」「役割の人に頼るのでなく、一人ひとりが本気で取り組み、仲間との対話を大切にすること」など、分科会の進め方についてアドバイスや、「自信を持って取り組んで」との激励のメッセージも頂戴しました。
2日間の活動でたくさんの先輩や仲間と交流を深め、新しい刺激を受けたメンバーが、これからのJ-Win活動にさらに積極的に取り組み、「Women to the TOP!」へ向け成長していくことが期待されます。
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